北京で肺ペスト発生し、感染力が強く死に至る可能性もあるとのニュースが飛び込んできましたね。
中国での発生とあり、中国と近い日本では「日本にも影響があるんじゃ…」「日本ではまだ発生してないの?大丈夫なの?」と不安の声が上がっています。
そこで、中国で発生した肺ペストが日本で発生する可能性はあるのか?
日本への影響や、もし発生した場合はどうしたらいいのかについてまとめました!
結論:肺ペストが日本で発生する可能性はあると思った方がいい!
結論から言いますね。
まず、中国で発生した肺ペストについて、中国は
「すでに予防・管理措置が取られている」
と発表しています。
しかし、当然ですが、「予防・管理措置」というのは、他への感染の可能性がゼロになるものではありませんよね。
感染しないように予防して、感染が拡がらないように管理してるよ!ってことですよね?
かなり怖い感染症なので、厳重に管理されていることと思いますが、それで安心というわけではありません。
ですので、個人的には、日本にも拡がる可能性がある、と思って心得ておいた方がいいと思っています。



不安を煽ってるわけではないよ。感染が終息したわけではないから、手放しで安心するのはよくないな、と思ってるよ、ってことだよ。
調べてみたところ、実際、日本でも過去に肺ペストが発生・流行したことがありました。
肺ペストが日本で発生したのは明治時代
調べてみたところ、NIID国立感染症研究所によると、日本でも過去に肺ペストが流行したことがあったようです。
当時は今よりも医療が発達していないこともあり、多くの死者を出しました。



肺ペスト、本当に怖いですね。
明治22年頃から日本でペストが流行
日本で肺ペストが流行したのは、1899年、当時日本は明治時代でした。
1899年にペストが日本に輸入されてから27年間に大小の流行が起こり、ペスト患者2,905人(死者2,420 )が発生した。
引用:NIID 国立感染症研究所
ペスト患者2905人中、2420人が死亡ってものすごい人数ですよね。
およそ83%が亡くなっているということになります。
日本でも死者が出たけどそれ以降は発生例はない
日本でも多くの死者が出るほどの流行になったことがあったようですが、その流行が終息してからは新たな発生例はないということです。
ただし、NIID国立感染症研究所によると、
しかし、昨今事情が変わり、海外との交流が盛んになるにつれ、開拓が進んだペスト菌常在地域を訪れる日本人観光客、商社マンなどが年々増えている。また 同時に、日本市場の自由化に伴い、ペスト菌常在地域からの資材や食物だけでなく、ペットの輸入も顕著に増加している。アメリカのCDC は、輸出予定のプレリードッグがペストに感染して多量に死亡した事実から危険性を察知して、プレリードッグの輸出入および売買を禁止するよう指導している が、日本にも多くのアメリカ産プレリードッグが輸入されていることが明らかになった。過去には年間3~5万頭との推定もある。厚生労働省は直ちに研究班を 作り、実態調査を行った。幸いにして、検査した結果は全て陰性であったが、注意を怠らないようにする必要がある。
引用:NIID 国立感染症研究所
つまり、簡単にまとめると、
最近は海外との交流が盛んになったことでペスト菌が日本に入ってしまう危険性が大きくなってしまっていてる。
実際、「アメリカでプレーリードッグがペストに感染して多量に死亡し輸出入や売買が禁止になった事があったが、すでに日本に輸入されていた」という事例があった。
この時はすぐに研究班を作って実態調査をしたけど、幸い検査の結果はすべて陰性(感染していない)だったが注意を怠らないようにしている。
ということ。



最近は起こっていないけど、危険性は常にあると思って国も対策している、ということですね!
中国で発生した肺ペストとは?
中国で発生した肺ペスト、怖い怖いと言われていますが、どの程度のものなのかについて、詳しく調べてみました!
ペストとは動物→人への感染
ペストとは、ペスト菌による感染で引き起こされる感染症のこと。
ペスト菌はネズミやノミの体の中にいる菌で、ペスト菌を持つネズミやノミに噛まれることで人に感染する可能性があるとのことです。
NIID国立感染症研究所によると、ペストには3種類あるようです。
感染ルートや臨床像によって腺ペスト、肺ペスト、および敗血症型ペストに分けられる。
引用:NIID 国立感染症研究所
腺ペスト、肺ペスト、敗血症型ペストと3種類ある中で、怖さとしては、
となるようです。
つまりペストの中で最も危険なのが肺ペスト。
肺ペストとはペスト患者の肺にまでペスト菌がまわった状態
ペストはペスト菌を持つネズミやノミから人への感染でしたが、肺ペストはもっと怖い状態です。
腺ペスト末期や敗血症型ペストの経過中に肺に菌が侵入して肺炎を続発し、肺胞が壊れて、痰やペスト 菌エアロゾルを排出するようになると、この患者が感染源になってヒトからヒトへと素早く伝播する肺ペストが発症する。
引用:NIID 国立感染症研究所
つまり、ペスト患者(腺ペスト・敗血症型ペスト)の肺に菌が入って肺炎を起こしてしまうと、肺ペストが発症してしまう。
この状態になると、人から人への感染が起こってしまう、ということです。
肺ペストは「ペスト」の中で最も危険
肺ペストはペストの中でも最も危険なレベルで、早期発見し治療できなければ死に至るとされています。
非常に稀な事例ではあるが、最も危険なタイプである。
引用:NIID 国立感染症研究所
ただ、肺ペストはかなり珍しい事例ということですが…
実際にお隣の国、中国で発生してしまったので怖いですよね。
肺ペストは発症後24時間で死に至る感染症
そして恐ろしいのが発症したら死に至るのがかなり早いというところ。
潜伏期間は通例2~3日であるが、最短12~15時間という報告例もある。発病後12~24時間(発病後5時間の例も記載あり)で死亡すると言われている。
引用:NIID 国立感染症研究所
発症したら12~24時間で死亡するってかなり怖いですよね。



ちょっと具合悪いけど、今日一日様子を見よう…なんて言ってたら死んじゃうってことですよね。
肺ペストの治療法は抗菌薬を早く投与すること
ただ、幸い肺ペストにはきちんと治療法があります!
肺ペストの治療法は抗菌薬の投与。
ただ、すぐに投与しなければ死んでしまうので、早い発見と早い診断、早い治療が大切です。
肺ペストの症状は風邪やインフルエンザの症状に似ているので、これからの季節、注意が必要です!
臨床症状としては、強烈な頭痛、嘔 吐、39~41℃の発熱、急激な呼吸困難、鮮紅色の泡立った血痰を伴う重篤な肺炎像を示す。
引用:NIID 国立感染症研究所
頭痛・嘔吐・高熱なんて普通の風邪でもありますよね。
呼吸困難や泡だった血痰(血の混じった痰)が特徴になりますが、これがないからといって安心しないほうがいいかと思います。



自分の身は自分で守る、家族の様子にも注意が必要ですね!
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